技能実習「介護」は増えていくのか

Blog

介護業界の人手不足は深刻です。2025年には介護職が34万人不足するともいわれています。介護業界の人手不足を何とかしなければという政府の思いは、昨年の入管法改正及び技能実習法改正に現れています。平成29年9月1日に介護の在留資格が新たに創設されたことに続いて、平成29年11月1日より技能実習制度の対象業種に「介護」を追加しました。

しかし、技能実習による人材確保が期待されている介護職ですが、期待されたほどの成果は現状出ていないようです。やはり「介護」における固有要件がネックになっているのではないでしょうか。

介護の技能実習には、技能実習制度本体の要件にプラスして介護における固有要件があります。中でも代表的なものとしては、1年目の入国時に「N4」程度、2年目は「N3」程度が必要になります。「N4」のNは日本語検定試験のNです。また、利用者及び実習生双方の人権擁護の観点から訪問介護が対象外だったり、技能実習指導員の要件に介護福祉士資格が必要だったりといろいろあります。介護事業所の人員配置基準算定においても実習開始後6カ月後からでないと算定できない(N1、N2の場合はできる)などいろいろハードルが高いです。他業種に比べて、利用者さんとのコミュニケーションが非常に重要な職種だけに日本語能力等が問われるのは致し方ないことかもしれませんね。

来年、介護職の「特定技能」ができると、介護事業所で働く外国人には「特定技能」「介護」「技能実習」「EPA組」「身分系」「資格外活動」といろんな方の参加が見込まれますので、ちょっと雇用管理が大変になりそうですね。

 

関連記事一覧