在留資格『特定技能』解説

人材不足が深刻な真に受入れが必要と認められる分野に着目し、即戦力となる外国人材を受け入れるための新たな在留資格「特定技能」について解説します。

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 人手不足が深刻な分野において、一定の専門性・技能を有する外国人材を受け入れるため、2019年4月に創設された在留資格が「特定技能」です。
 制度開始後、対象分野や受入れ見込数、受入れ機関に求められる義務などが順次見直され、現在では日本の外国人材受入れ制度の重要な柱の一つとなっています。
 また、2027年4月からは新たな「育成就労制度」が始まる予定であり、技能実習制度から育成就労制度への移行とともに、特定技能制度との関係もより重要になります。

 

 在留資格「特定技能」創設背景 

 日本では、少子高齢化や生産年齢人口の減少などを背景として、さまざまな産業分野で人手不足が深刻化しています。こうした状況を踏まえ、国内人材の確保や生産性向上などの取組を行ってもなお人材の確保が困難な分野において、一定の専門性・技能を有する外国人材を受け入れるため、2019年4月に在留資格「特定技能」が創設されました。

 特定技能には「特定技能1号」と「特定技能2号」があり、制度創設後、対象分野や受入れ見込数などが順次見直されています。現在では、特定技能制度は日本の外国人材受入れ制度の重要な柱の一つとなっています。2024年3月には、2024年度からの5年間における1号特定技能外国人の受入れ見込数が、それまでの約34万5,000人から82万人に再設定されました。さらに、2026年には制度の見直しが行われ、対象分野や受入れ見込数についても改めて整理されています。

 なお、2027年4月からは、技能実習制度に代わる「育成就労制度」が開始される予定です。育成就労制度は、特定技能1号への移行を見据えた人材育成を目的とする制度であり、今後は「育成就労」と「特定技能」を一体的に理解することが、外国人雇用を検討する企業にとって重要になります。

 

 在留資格「特定技能」とは 

 在留資格「特定技能」は、国内人材の確保や生産性向上などの取組を行ってもなお人材の確保が困難な分野において、一定の専門性・技能を有する外国人材を受け入れるため、2019年4月に創設された在留資格です。特定技能には、「特定技能1号」と「特定技能2号」の2つの区分があります。

特定技能1号

 特定技能1号は、特定産業分野に属する相当程度の知識又は経験を必要とする技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格です。ここでいう「相当程度の知識又は経験を必要とする技能」とは、相当期間の実務経験等を要する技能であって、特段の育成・訓練を受けることなく、直ちに一定程度の業務を遂行できる水準のものとされています。原則として、技能水準については各分野で定められた技能試験、日本語能力については日本語試験等によって確認されます。ただし、技能実習2号を良好に修了した者については、職種・作業と特定技能の分野との関係など一定の要件を満たす場合、技能試験・日本語試験が免除されます。特定技能1号の在留期間は、1回の許可について期間が定められ、更新を重ねることができますが、原則として通算5年が上限です。また、特定技能1号では、原則として家族の帯同は認められていません。一方、特定技能では、一定の要件を満たせば、外国人本人の意思による転職が認められています。ただし、原則として同一の特定産業分野内での転職であることや、転職先との雇用契約、在留資格変更等の所定の手続が必要です。また、異なる分野で就労する場合にも当然、改めて在留資格変更許可申請が必要となります。

特定技能2号

 特定技能2号は、特定産業分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格です。特定技能2号は、1号よりも高い技能水準が求められ、各分野で定められた試験等によって技能水準が確認されます。特定技能2号では、在留期間の更新により、通算在留期間の上限なく在留することができます。また、一定の要件を満たす場合、配偶者や子どもの帯同が認められます。さらに、特定技能2号で在留する外国人は、他の要件も満たした上で、永住許可申請につながる可能性があります。ただし、特定技能2号になれば自動的に永住できるというものではなく、永住許可について定められた要件を満たす必要があります。

 このように、特定技能1号と2号では、求められる技能水準、在留期間、家族帯同の可否などに大きな違いがあります。

 人手不足が深刻化する中、現在では多くの特定技能外国人がさまざまな分野で日本の産業や地域社会を支えています。今後も、特定技能制度をはじめとする外国人材の受入れは、わが国の人手不足への対応において重要な役割を担うことが期待されています。
 外国人材を受け入れる企業には、単に労働力として受け入れるだけではなく、日本人と同様に適正な労働条件のもとで安心して働くことができる環境を整えることが求められます。また、仕事だけでなく、住居、行政手続、日本語学習、地域社会との交流など、生活面を含めた支援も重要です。
 特定技能外国人が日本で安心して働き、能力を十分に発揮するためには、受入れ企業、登録支援機関だけでなく、外国人雇用に関わるさまざまな関係者が制度を正しく理解し、適切な受入れ・支援体制を整えていくことが重要です。
 外国人材を「人手不足を補うための労働力」としてだけではなく、共に働き、企業や地域社会を支える人材として受け入れること。それが、これからの外国人雇用において、ますます重要になっていくでしょう。